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 ここでは大学受験国語の勉強法について考えていきます。
 受験国語は「現代文」「古文(古典)」「漢文」に分かれています。それぞれについて考えましょう。

現代文の勉強法



 よく「現代文は運みたいなものだ。」「日本人だし国語は普通にできるでしょう。」「現代文は解けない人には解けない」などと考え、勉強しない人も多いと思います。

 しかし、学力の試験としてだされている現代文には、やはり確実に論理が存在するし、求められる解答も1つとなっています。でなければ、大事な入学試験であいまいな答えがあったら、クレームがつきまくると思います。
つまり、あいまいでなく確実に、解き方があるということです。


 「でも現代文の実力は、普段の読書量などで決まるので、どうせ実力のないオレは勉強してもむだだ。」

と思っている人がいるかもしれませんが、まだあきらめるのは早いです。

 実は私もそういう考えを持っていたので、最初の受験時はほとんど現代文の勉強をしていませんでした。

 しかし、やり方を学び、練習次第で受験国語現代文の実力を大きく上げることが可能であることがわかりました。

 
 それは、解答を導く正しい手続きのプロセスを身に付けるということです。


解答を導く正しい手続きとはどのようなものか。

まず、受験国語現代文読解の仕方を評論を例に書いていきます。



評論の読解の仕方


 評論問題の読解の仕方とは、
 

1.設問をみて、どういうところを聞いているかをチェックする
2.文章を強弱をつけて読み、各段落の大意をつかむ
3.傍線部に関する設問を読み、該当部分を注意深く読む。
4.設問を解く



と、簡単に書きましたが、詳しく説明します。
まず、


1.設問をみて、どういうところを聞いているかをチェックする

 現代文において、文章を読む前に、設問を見るか見ないかは議論の分かれるところだと思います。

 確かに設問の選択肢の文章を全部読んでいると、時間もかかりますし、第一、選択肢のうちの1つしか正解がないのに見るのは、誤った情報が頭に刷り込まれる可能性があり、良いとは言えないと思います。
 しかし私の述べる「設問をみる」とは、設問について、どういうことを答えるとよいのか、ということをざっとみることで文章を読む要点がなんとなくわかり、文章を読みながら設問を答える心構えもできたりします。
 また、文章中の重要なキーワードは設問の選択肢中に頻繁にでてくることが多いということもあります。



2.文章を強弱をつけて読み、各段落の大意をつかむ

 「強弱をつける」とは、大事な部分、つまり筆者の「いいたいこと」が書いてある部分はじっくり読み、そうでない部分、つまり、例え話の部分などは流して読む、といった読み方です。

 では、どこが文章の大事な部分か、ということです。
 実はそれを見抜くカギが各段落ごとの大意をつかむことで見えてきます。

 それでは各段落の大意はどうやったらわかるか、という問題ですが、大体の文章では、段落の最初の文と最後の文に書いていることが多いです。
 また、重要な部分は設問の対象として、傍線が引かれていることが多くなります。
 それから、「つまり」や「このように」などの言葉の後に段落をまとめた文章、すなわち「いいたいこと」が書いてあることが多いです。



3.傍線部に関する設問を読み、該当部分を注意深く読む。

 このようにして一通り文章を読んだら、筆者の「いいたいこと」がつかめたと思います。

 次に、どう現代文の問題を解くかです。

 まず、傍線部分がどのような設問になっているかみます。
 「〜とはどういうことか」「なぜ〜といえるか」など、設問の形をみて、この設問の答えとなっている部分を探します。
 その部分を注意深く読んで、文の論理展開を正確に理解します。



4.設問を解く
 いよいよ設問に答えます。
 設問が「もっとも適当なものを選べ」といった択一系であれば、本文の論理展開に沿った選択肢を選びます。  例えば本文で「AだからBなのだ」と書いてあれば、「BだからAだ」という選択肢は間違っていることになります。
 この論理展開の逆転の引っ掛けはよくでてきます。
 あと、細かい表現などに騙されてはいけません。記述式問題であればなおさら設問の指示通りに答える必要があります。



小説問題の読解の仕方

 国語の現代文でも、小説については、特に勉強のしようがないと考えている人が多いかもしれません。

 昔の私がそうでした。
 小説の登場人物の感情などは、その人物に共鳴できる人だけがわかるのであって、それがズレていたらどうしようもないのでは、とつい考えてしまいます。

 たしかに実際、過去に試験問題で出典されたときに小説の作者が、「そういう意味で書いたつもりはなかったのだが」と、困惑した例もあったと聞きます。

 しかし何度も強調しますが、答えが一つに限られる入学試験の国語の問題としては、確実に解き方というものが存在します。

 それをみていきましょう。


心の移り変わりを読み取る

 小説については、登場人物の心の移り変わりを正確に読み取らなければいけません。
 普段、趣味で小説を読んでいる人には個人個人で勝手な読み方をすればいいですが、入試国語の小説となれば話は別です。
 必ず解答を導くための「根拠」がないといけません。下手な推測や必要以上の感情移入は危険であるといえます。
「たぶん、こういう感情なんだな」と勘で解いていってはいつまでたっても正解を導くことはできません。

例えば、次のような小説の文があったとします。

     ・私は、部屋に閉じこもった。

これだけ読んだだけでは、「私」が閉じこもった理由は、@腹を立てたからなのか、A仕事に集中したかったからなのか、B恥ずかしかったからなのか、C一人になるのが好きだからなのか、わかるはずもありません。
 それを、「たぶん・・・」とヤマカンで答えを決めているようなものです。


しかし、入試の現代文小説では問題となっているからには、必ず解答を導くための根拠があるはずです。
例えば、先ほどの文に少し付け足して次のように書いてあったとします。

    ・妻は私に、「仕事はもう終わってるの?」と、嫌みのように言った。
     「まだに決まってるだろ。」
     私は何かしたいわけではなかったが、思わず部屋に閉じこもった。



ここまで読むと、@腹を立てたから、ということがわかります。
思わずA仕事に集中したかった、という答えを出す人もいるかもしれませんが、「嫌み」という表現と、その後の「私」の受け答えから、腹を立てたことがわかります。「何かしたいわけではなかった」とあるので、仕事をしたかったわけではありません。

 実際の入試問題では、こんなに簡単に導き出せないこともありますが、必ず根拠があることを頭に入れておくといいです。




解答により正しい解き方を学ぶ


 ここまで読解の仕方をかいてきました。

 しかし、自分が考えた読解のやり方と正しい読解の仕方が異なっていることもあり、そのため正解に導けない場合があります。

 そこで、本当に正しい解き方というものを実践を通じて学ぶ必要があります。

 どうすればよいか。

 それは、詳しい解説の付いた過去問や実践問題集を使ってひたすら実践を積むことだと考えます。

 そのやり方を書いてみたいと思います。


 そのやり方とは、

 まず、問題を解きます。解き方としては上に書いたとおりです。

 ここで問題を自分で解いた後、答え合わせをして、はい次へ・・・というやり方では、いくら演習を積んでも効果が薄いといえます。

 実はそこからが実力を上げるポイントです。

 まず間違えた問題について、解説を読みます。そして、なぜ自分は間違えたのか、どのような考えが必要か、どのような点を見落としていたのか、どのような考え違い、読み違いをしていたのか、ということを納得するまで徹底的に検証します。

 また、合っていた問題についても、一応自分の考え通りに解説されているかチェックするとなお良いと思います。


 このように、解答を導く正しい手続きのプロセスを身に付けることで、自分が考えていた「独りよがりの現代文の解き方」と、「正確な受験現代文の解き方」とのズレを埋めることができ、正しい現代文の解き方のフォームが身に付くことになると考えます。


 ※ たまに、たとえば同じセンター試験国語の問題でも、出版された本によって異なる解説がされているように感じるときもありますが、なるべくそれらの解答に至ったプロセスに目を向けてみると、実は本質的に同じようなことを書いていることがあります(もちろん、まれに全く違った見解のときもありますが、その問題はそれほど難しいということで理解したらいいと思います)。



古文の勉強法

 次に国語のなかでも「古文(古典)」の勉強法についてです。

 私は、「言葉を学ぶ」という点において、古文の勉強法は英語の勉強法に近いと考えています。

 しかし、日本人が古文を勉強するときに、圧倒的に有利なことがあります。
 それは、古文は「母国語」である、という点、つまり外国語とは違って基本的なことに対する土台がほとんどできている、という点です。

 ひらがな、漢字などの文字はもちろん、多くの単語やいいまわし、主語述語などの構文、助動詞、助詞、副詞の使い方など、ネイティブの日本人なら普段使用している言葉がかなりの部分を占めるということです。

 そういう点から考えると、古文をマスターすることは、英語を習得するより何倍もラクである、といえます。


 しかし、そうはいっても、1から古文を勉強しようとすると、外国語を勉強するように取り組む必要があることは確かです。


 つまり、(1) 単語力、(2) 文法力を身に付け、そのうえで(3) 読解力をつけていく訓練が必要であると考えます。

 あとは、古文に特有な和歌の修辞や、古文常識、文学史をマスターしていけば点数がとれると思っています。



(1) 単語力

 古文単語も基本的には英単語を習得する方法でやった方がいいと思います。
 つまり、例文のなかで覚え、声に出したり、耳で聞いて覚えるのがよいと考えます。
 しかし、世に出ている単語集などで例文があってしかもCDの音声付きのものは少なくとも現在の時点では存在しないと思います(あったら教えてほしいんですが)。

 そこで、次の手を考えます。
 
 それは、単語の語源や漢字をどう充てるか、といった覚える手助けになるものが多いもの、そして、語呂合わせによるインパクトで覚えることができるもの(できればCD付きで)が良いと考えます。
 このような条件で考えると、『古文単語ゴロ565』などが挙げられます。
 実際、私はCDを使って何回も聞いたところ、ほとんど覚えてしまいました。

 しかし、ゴロで覚えただけでは、まだ使える力になったとはいえません。
 試験中ゴロが浮かべばそれだけで有利ですが、目標は実際の古文の読解の中で使える形として覚えるということです。
 これは(3) 読解力の所でもいえることですが、その単語の意味が、ゴロを中間地点として経ず、イメージとして瞬時にでてくるところまでになれば、いうことなしです。これはちょうど、英文を読むときに英語から日本語を経て理解するのではなく、英語を英語のイメージとして理解することと同じです。


(2) 文法力

 次に文法についてです。

 平安時代で考えても、1000年以上も昔の言葉ですが、現代の日本人でも理解できる部分が多く、文法についても他の国で育った人よりは勉強する必要はありません。

 しかし、重要なポイントとして、覚えないと理解できない部分があります。

 その中で大きなウエイトを占めるのは、やはり助動詞です。
 その理由の1つとして、多くの助動詞が現代と異なる、ということが挙げられます。

 逆に助動詞を制すれば、古典文法は相当強くなります。その助動詞をマスターするにあたって重要なのは、意味と活用形の接続です。


 あとは、敬語です。
 尊敬語、謙譲語、丁寧語の区別がつき、誰が誰に対して敬意を表しているかがつかめれば、古文読解に大きく力を与えてくれます。


(3) 読解力

 古文の読解力をつけるには、やはり数多くの古文を読むしかありません。

一つ一つ品詞分解して、単語の意味と敬語の方向、助動詞の意味・・・などいちいち考えていては、どうしてもスピードに限界がでてきます。

 数多く読んでいくうちに、品詞分解することなく理解できるようになりますし、読んだ瞬間、まるで現代文を読むようにイメージがでてきて意味が理解できるようになると思います。(実は私はその域にまだ達していませんが)




古文について、より詳しい勉強方法やセンター試験の傾向と対策などについては、『つるちゃんの古文クエスト』というサイトなどを参考にしたらよいと思います。教科書がなくてもこのサイトだけで勉強できてしまう、というスゴいサイトです。




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