最強の受験勉強法を考える > 英語の勉強法












 ※ ここでは、文法・構文などである程度受験英語の基礎ができている人を対象にしています。
 もし、英語の基礎力に全く自信がなかったり、高1生などで英語の基本事項を固めたい人は「基礎を固める編」を参考にしてください。

                        

                    単語  文法  長文読解  リスニング


                            基礎を固める編



英単語の効率的な覚え方


 英語力は文法を一通り勉強した後はなんと言っても単語・熟語などの語彙力がものをいうのはいうまでもありません。
 しかし、英単語帳を開いて英単語だけを覚えていっても、すぐ忘れるだけで結局身につかなくて投げ出してしまった経験ないでしょうか?
 私は高校時代、ある程度気合で、単語帳を何回も何回も繰り返し、覚えましたが、非常に時間もかかったし、定着もなかなかしませんでした。
 このような経験もあり、効率の良い方法はないかと考えたり、調べた結果、やはり単語力を強化する効率の良い勉強法があることがわかりました。実際にやってみるとその効果を実感できました。

 私が行っている単語力・熟語力強化のための勉強法は以下の通りです。

1.英語の例文を理解する(理解し、単語の意味をつかむだけです)。
2.例文のCDを聞いて復習する。
3.すらすらシャドゥイングできるまで定期的に聞く。


これだけです。例文で英単語を覚えるくらいなら、英単語だけを覚えた方がラクじゃないか、と思うかもしれませんが、定着率が違います。実際私がこの方法で単語帳2冊(DUO 3.0 と、ALL IN ONE second edition )をやった結果、完全ではないにしろ、大体の単語を身に付けることができ、模試での英語の偏差値が半年で約10上がる結果となりました。



以下に、それぞれについて詳しく説明します。


1.英語の例文を理解しながら単語を覚える

 私は、分からない単語、文章を完璧になるまでやるのではなく、少々不完全でもテンポよくやることで、なるべく学習中にかかる負荷を少なくしようと心がけました。つまり、知らない英単語を一回確認した後、すぐ例文を見て頭の中でその文章の内容をイメージしながら理解し、それからすぐ次の例文へ・・・というようにすすめていっています。
 それをしばらく続けて疲れてきたなと思ったら、その日は終わりにしました。
 このような負担の少ない学習法は、学習することが苦痛で嫌にならないようにして、継続して学習することができるためのコツでもあります。
 実際、少しずつでも日に日にレベルアップしている自分を実感できてうれしくなり、次の日にも勉強したいという気が起きてきて、それを繰り返していくうちに、今では習慣化しています。まったく苦痛に感じません。

 また、英語の文章を「イメージ」しながらの理解は重要です。例えば、次のような例文で考えてみます。  

  In the face of adversity, Mike accomplished an extraordinary feat. He deserves praise.
  (逆境をものともせず、マイクはすばらしい偉業を成し遂げた。称賛を受けるのは当然だ。)

                                       <DUO 3.0、section 29より>

 最初のIn the face of adversityの部分では、マイクがいろいろな逆境に立ち向かっているところをなるべくリアルに想像します(例えば、マイクが野球選手であるとか)。そして、Mike accomplish an extraordinary featの部分で、マイクが偉業を成し遂げ、誇らしげになっているところを想像します。

 このように、想像力によってイメージすることによって、より鮮明に記憶に残ることになります。


2.CDでの復習

 重要なのはここからで、やはりどんなにインパクトのある覚え方をしても、復習をしなければ忘れてしまいます。 (詳しくは「記憶のメカニズム」のところを参照してください。)

 この復習の仕方ですが、私は、英語の例文を理解したら必ず次の日までにその例文をCDで聞くようにしました。
だいたい覚えた新しい英単語も例文のイメージとして記憶に残っており、その確認をすることで、単語の記憶のレベルが一段階上がり、忘れにくくなりました。
 本をいちいち開かなくても復習できてしまうのがCDによる耳からの学習の利点でもあります。
 私は、以下にあるように、毎日車の中でこれを行いましたが、一般に、通勤・通学の電車やバス、さらには歩行中でも気軽にできる英語の復習方法だと思います。

 ヒヤリングできなかった部分や、忘れてしまっている英単語はそこでもう一回本をみながら理解します。
 そして再び集中的に聞きます。これで一週間は記憶に残るので、また忘れそうな時期に再びCDを聞くということをやって、だいぶ定着します。


3.シャドゥイングして復習

 これは、単語力だけでなく実はリスニング(ヒヤリング)対策、ひいては長文読解対策にもなります。
 シャドゥイングとは、CDを聞くときすぐに後を追いかけて自分で声をだしてみる練習法です。
 もちろん、声を出すときは意味も考えながらやることが必要です。
 これをすると、なんとなく英語を聞いているという状況を防ぐことができ、しかも声を出すことで五感を刺激することにもなり覚える効率が上がります。

 私は、前日に読んで理解した英文についての音声を次の日車の中で聴きながら予備校へ30分かけて通学、ということを繰り返していました。
 車の中だと、だれにも気を使うことなくシャドゥイングできるので、かなり良い練習場となりました。(もちろん、交通安全が最優先なので、運転に集中しなければいけない場面では、聴く事は二の次にします。運転暦の短い人や、自信のない人は、やらない方がいいと思います。)

 同じように、通勤・通学のバスや電車でもやろうと思えば可能です(その場合あまり大きな声は出せませんね。でも実は口パクでも効果はあるようです。)


                        シャドゥイングについて

                        例文で覚えることに今ひとつ疑問を感じている人へ




文法の勉強法

 単語力、語彙力を鍛えることによってだけでも、相当英文を読めるようになります。
 しかし、まだいまひとつ英語の文法力に不安のある人が入試などの試験でより点数をとるためには、やはり文法力を充実させることが必要になってきます。
 この文法力を確実にするためには、一冊問題集をこなすのが良いと思います。完全をきすために、ぶ厚い文法用参考書を読んで勉強をする人もいますが、なかなか身に付かず、挫折してしまう結果になりかねません。実際の問題をこなす中で文法を覚えていくのが最も近道かと思います。
 このような考え方から、おのずとおすすめできる文法用問題集も決まってきます。つまり、問題の解説のしっかりしたもの、そして、文法を体系的に習得できるものがおすすめです。1000問程度の問題数があれば十分だと思われます。
 例を挙げると頻出英文法・語法問題1000 』(桐原書店)、『英文法ファイナル問題集 』(桐原書店)などです。

 さて、英文法問題集の進め方としては、次のようになります。

1.問題を解く。
2.解答・解説を読み、理解する。
3.復習のサイクルに従って、間違った問題のみ行う。
4.(上級者用) 解けた問題でも、時間がかかるような問題は瞬間的に反応して解けるようにする。


以下、詳しく説明すると、


1.問題を解く。

 英語の文法を勉強するにあたって、詳しい文法参考書を全部読もうなどと思わずに、まず問題集の問題を順番に解いていきます。受動的でなく、能動的になるので、結局このやり方のほうが身に付きやすくなります。 
 考えてもわからない、知らないような問題は、時間節約のためにさっさと諦めて、次の問題に移ることです。


2.解答・解説を読み、理解する。

 問題を解いたら、できるだけ時間を置かずに解答をみます。
 ここでも時間節約のため、正解していた問題については、確認程度にして、詳しい解説を読む必要はありません。
 そして間違ったものについて、まず後の復習のために、問題にチェックしておきます。そして解説を読んで理解し、次回間違えないようにします。


3.復習のサイクルに従って、間違った問題のみ行う。

 復習は、まず間違った問題だけで行い、このサイトでも書いている『効率的な復習のサイクル』に従って、進めていきます。そして、分からなかった問題を解けるようにします。
 
 このようにして、一冊の問題集を終わらせることができるだけでも、英文法の実力は相当ついているはずです。


4.(上級者用) 解けた問題でも、時間がかかるような問題は瞬間的に反応して解けるようにする。

 前述までで、大抵の受験生は良しとしますが、実はさらに英語をレベルアップすることができます。これは単に解答の時間が短縮できるから、といったレベルの違いではありません。後に書きますが、文法力以外の力も身に付くことになります。実際に、英語のプロと呼ばれる人たちの勉強法はみんなといっていいほど、このやり方を実践しています。色々なサイトや本をみましたが、これは断言できます。私はまだこのレベルには至っていませんが、少しだけ試して効果を実感しているところです。

 例えば、次のような例文があったとします。

 lf you had really loved me, you (     ) that.
  a) couldn't have said  b) cannot say c) did not say


 この正解はa) ですが、5秒ぐらいかけて答えがでる人と、1秒ぐらいで答えがでる人とでは英語の実力に大きな差があるといえます。
 つまり、「これは仮定法過去の構文だから、助動詞の過去形+have+過去分詞だな」という思考回路を経て答えを導く人と、文頭から読んでいくうちに意識しなくても仮定法過去のイメージが浮かんできて、脊髄反射的に a) がしっくりくるな、と瞬時に解答する人との違いです。
 さらにこの違いは、典型的な日本人英語学習者と、英語圏のネイティブとの違いにもなってきます。
 だからといって、日本人には不可能というわけではないようです。
 やり方次第で近づけることができます。

 そのやり方としては、
 1)英文を理解したあと、具体的にイメージをする。
 2) そのイメージを浮かべながら、なんども声に出したりして、定着させる。
 3) 次にこの構文がでたらこのイメージがすぐ浮かぶまで練習する。

 このやり方を行うと、英文法の実力だけでなく、英作、読解、ひいてはヒヤリングの実力も飛躍的に向上します。
 なぜかというと、「こういう意味のときはこのパターン」、という瞬時の思考回路が身に付くからです。こういう状態にすることで、例えば英作問題では、日本語をみただけで英文の組み立てがすぐに浮かびやすくなりますし、読解問題では、文を一回読んだだけでスッと意味が理解でき、ヒヤリング問題では、流れている英語のスピードについていくことができることになります。



長文読解の攻略法

 限られた制限時間内に解かなければならない入学試験などにおいて、長文を速く、しかも正確に読むことが必要になってきます。
 この英語長文読解問題を攻略するためには、単語・熟語などの語彙力や文法力があることはいうまでもありませんが、さらに次のことが必要だと考えます。

1.長文のトピック、要旨をつかむ。
2.英文を英文のままで理解し、一文一文を素早くかつ正確に読む。

3.英語長文の論理構成を理解する。

以下、説明します。


1.長文のトピック、要旨をつかむ。

 まず、その長文が何のトピックについて書かれているのかをつかみます。
それをせずに、ただ漠然と長文を読むだけでは、結局何が書かれているのかが理解できず、結局後でもう一回読み直さなければならないことになります。
 このために、じっくり長文を頭から読む前に、全体を見回して、目に付く単語、よくでてくる単語、似た言葉などを探し、大体どういうことが書かれているのかをつかみます。


2.英文を英文のままで理解し、一文一文を素早くかつ正確に読む。

 次に必要なことは、一文一文を正確に精読していくことですが、時間がかかり過ぎてはいけません。
 もともと英語と日本語とでは、主語と述語、動詞、形容詞などの文の中の語順が違います。
そして英語長文を精読するのに、いちいち日本語に訳してから理解するのは、やはり時間もかかり効率が悪くなります。
 これを打開するには、英語の文章を書いてある順番に理解することが必要です。
 これはリスニングとも関連してくるのですが、ネイティブの人がこの英文の順番で話し、理解するように、日本人でも、この英文の順番で理解する練習をします。

例えば、長文中に次のような例文があったとします。


 It is indeed because we do not understand our deeper emotional problems that we have to work them out by analogy, by myth, and by fable.

 この文の日本語らしい日本語訳は次のようになります。

 (類推や神話や寓話などによって問題を解決しなければならないのは、実際、私達は自分自身のより深い心の問題を理解していないからである。)


 つまり、It is 〜 that... の強調構文と呼ばれるもので、「...なのは〜である」という意味をとります。

 しかし、これは日本人が文全体を見渡した後に、分かりやすく訳した結果の日本語であって、ネイティブの人が、いちいち全体を見渡して、強調構文だからこういう意味だ、とか考えているわけがありません。
 つまり、文頭から順番に意味をとらえながら理解しているということです。

 この思考回路を作ることは、日本人でも決して不可能なことではありません。
 日本語でも、頭から訳すようにしていけばいいのです。その意味をイメージとして定着することです。

さきほどの例文を頭から訳していくと、次のようになります。


 It is  indeed      because          we do not understand our deeper emotional problems
それは、まったくもって、次のような理由からである、私達は理解しない、 より深い心の問題を、        

that     we have to work them out          by analogy,   by myth,    and by fable.
だからこそ私達はそれらを解決しなければならない、類推によって、神話によって、寓話によって。



このように、頭から訳していっても、日本語的にはぎこちなくても、意味はとれると思います。
 そして、英文を読み返すことなく、意味をイメージとして理解していくことを繰り返して、訓練します。

 この練習に有効なのが、スラッシュリーディングです。意味の区切れ、フレーズごとにスラッシュで区切っていき、それをまとまりとしてそこまでの時点で理解し、後戻りしないようにします。

英文のイメージ化とは?


3.英語長文の論理構成を理解する。


 そして、膨大な量の英語長文を短時間で読まないといけない場合、一文一文を丁寧に読んでいては時間が足りないときがあります。そのようなときに必要なのが、文章全体の論理構成をつかむことです。

 日本語の文章でも同じですが、文章は大きく分けて「序論」「本論」「結論」の順番に分けられます。
 また、その中でも、言いたいこと、書きたいことのまとまりごとに段落分けがされています。
 そして、それぞれの段落のなかでも、最初の文、または最後の文がその段落の内容をまとめたものになっていることが多く、そこを読むだけでも理解できる形となっています。
 このように、強弱をつけて読んでいくことによって、長文全体を速く読むことができます。

 また、英語の文章の特徴を理解します。
 英語の文章を大きく分類して次の5種類に分けてしまいます。

 (A) 羅列型
 (B) 時系列型
 (C) 比較対照型
 (D) 原因結果型
 (E) 問題解決型


この構成をつかんだら、文章の接続詞などに注意して読んでいきます。例えば、(A)の羅列型では、First, Second など、(C)の比較対照型では、On the contraryなどの接続語に注意することで、話の流れをつかみ、軽くながすところはすばやく読み、重要なところはゆっくり読む、ということができるようになります。

 また、現代文での勉強法でもふれましたが、英語長文においても、最初の段落にその主題の概要が書いてあることが多く、各段落の中でも、特に最初の文に大切なことが書かれていることが多くなっています。
 つまり、そのような重要な部分だけを確実に読んで、概要をつかんだら、あとの部分を流して読むことも可能になってきます。
 このように、文章を強弱をつけて読むことで、全体的な長文読解時間を短縮することができます。


 予備校講師が教える英語長文読解法




リスニングの勉強法

1. 意味を考えず聞き流すだけではなかなか上達しない。

 リスニング(ヒヤリング)力の強化方法としては、「ひたすら英語のシャワーを浴び続けるしかない」とよく言われますが、実際はやり方によって、上達のスピードが格段に違うといわれています。

 意味も分からずに映画を字幕なしで頑張って観たり、英語のラジオを意味がわかないうちから聞くというやり方を行っている人もいるかもしれませんが、なかなか効果が現れません。
 何も考えずに、聞き取れない英語をひたすら流し続けても、わからない部分はわからないままで、効果が薄いといえます。

 やはり、聞き取れなかった部分をチェックしながら、何回も繰り返し聞き、意味も同時に考えながら聞くべきです。

さらにできることなら、自分で声を出して発声することで、効果が倍増します。「音読が地道に見えて早道だ」とよく言われるのはそのゆえんです。

 そしてこのリスニング(ヒヤリング)力アップの方法の中で、特に力の付く練習方法がディクテーションとシャドゥイングです。
 実際に、WEBや書籍などで調べてみても、TOEICで950以上とれる人や、英検1級の人など、英語のプロと呼ばれる人たちは、ほとんどこの練習を取り入れており、繰り返すことによって力をつけてきたようです。

2.音のストックを増やす。

 ではなぜ意味もわからず英語を聞き流す方法では上達しにくいのでしょうか。

 それはやはり、リスニングの上達は音のまとまりと意味とを一致させて覚える必要があるからだと考えます。

 思い返してみると、私達日本人が普通に中学校から英語を習い始めて、なかなかネイティブの音とともに英語にふれる機会が少なかったと思います。
 つまり、日本人的なカタカナ英語としての発音として勉強の大半を費やしてきた、という現実があります。このため、大量に勉強してたとえ読み書きがすらすらとできるようになっても、リスニングだけはネイティブによる発音との食い違いもあり、聞き取れないということです。

 そして聞いたことのない音は理解するまで何回聞いても聞き取れません。

例えば、次の例文があったとします。

  I sent him on an errand.  (私は彼におつかいさせた。)

 これをネイティブの音を知らない人が発音を考えた場合、

アイ・セントヒム・オンアンエランド。

みたいな発音をイメージします。

 ところが、この文を普通にネイティブの人が発音したときに、下線部が「リエゾン」して、つまり単語間の発音がつながって、まったく違う音になります。無理やりカタカナにすると、

アイセニモナネラン。

といった聞こえかたです。
 これを初めて聞いた人は聞き取ることがきわめて難しいですし、何回聞いても意味もわからない音は覚えられません。
 ところが、一度聞いて理解すれば次回から聞き取って理解することも可能になります。つまり、音のストックができるわけです。

 このように聞いて理解することで、自分の中の音のストックを地道にどんどん増やしていくことが、結局リスニング力を伸ばす近道となるといえます。



 ※ ところで、センター試験英語について、あるウワサを聞きました。なんでも、英検と関係があるとか・・・
(詳しくはこちら









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